Quick Japan vol.50「天然最強少女ソニン」購入

クイック・ジャパン (Vol.50)

クイック・ジャパン (Vol.50)



どうも僕の生活範囲にはQuick Japanを取り扱ってない店舗ばかりのようで、こりゃAMAZONしかねぇかなぁ〜と途方にくれていたところ、ムネカタさんのSonim Blogにて「六本木ヴィレッジヴァンガードにあった。」との耳寄り情報をキャッチ。「そういえば!」とばかりに、最寄り駅から3駅先にヴィレッジヴァンガードがあったことを思い出し、ソニンよろしく走り出した25歳の私(安倍さんソロデビューおめでとう!イェイ)だが、着いてみればそこには当然のように(まだ)置いていなく、これが「(死にたいぐらい憧れた花の都、大)東京」と「埼玉」の間に流れる埋めがたい地域格差か・・・と要らぬところで男泣きすることに。



つーわけで、戦果ゼロのベトナム帰還兵こと俺様であるが、帰りにまさかの期待振りまいて最寄り駅前の本屋に入ったところ余裕で売っており、俺人生コレばっかりな!と更に追い討ちをかけられつつ、そんな感じで極めてスムーズにゲトって参りました!



とりあえず今のところは、本書の目玉企画たる「ソニンロングインタビュー」そっちのけで「つんく♂ロングインタビュー」のみ読み終わったのですが、これがまたすごかった。



内容を簡単に説明すると、ソニンのプロデューサーたるシャ乱QのアイツがEE JUMPソニンソニンの曲を語りおろしたというシロモノなのだが、それがもう随所に、「ロック魂」、「ロックっぽい」、「ロックなもの」、「生き様からして、既にロック」、「もっとコンビニエントな感じというか」、「居酒屋的な感覚」などなど、【おいしすぎる語録】爆発で、僕ら「フォロー・ザ・つんく♂の精神」を持つ輩にはたまらない出来!!



なもんで、「つんく♂さんは、なんでもかんでも最後は「ロック」の三文字で片付けてしまう。」という予備知識の全く無い一般QJ読者層にとってみれば、それこそ「言いてぇことなんか意味不明。」だと思われるのだが、逆にそのつんく♂爆発ぶりこそが、僕らにしてみれば、つんく♂ソニンに対する「見方」や「真意」をこれ以上なく伝えてくれていて、非常に興味深く読めた。また、その「見方」が非常に「良く見ている」と思えるものだった(即ち、つんく♂の持つソニン像が、僕の思うそれに近かったという共感だが)のも個人的にはかなり良かった。まだまだソニンで面白いことをしてくれる、そう思うに十分なインタビュー記事でした。



つんく♂インタビュー以外の感想を一気にいきます。



ソニンロングインタビュー



ソニンが、その波乱万丈な芸能活動から、生い立ち、自身のルーツに至るまで語り尽くしたインタビュー記事。その印象を一言で言えば、何の誇張無しで『赤裸々』。



インタビュー前半の芸能活動を扱った部分では、あの「裏」では何があったのか、そして、その時ソニンが何を思ったかに焦点が当てられているのだが、元々「裏」を意図的に見せてきたという印象のソニンだけに、その更に裏にはこんなものがあったのかと素直に驚かされた。それは、その事象そのものに対してであったり、タブーだと思われることであってもソニン自身が飄々と応答しているという意味での驚きでもあったりしたのだが、それ以上に僕が驚かされたのは、ソニン自身の口から、「普段みんなが見せないようなドロドロとした部分も見せていきたいと思っている。」というような発言があったこと。そういう部分というのは、所属事務所の所謂「戦略」、即ち和田社長の独自手法的な部分であると今まで何の疑いも無しに思っていたのだが、それだけではなく、ソニン自身も望んでやっていること(具体的に「やっていること」がそうだという意味ではなく)であったのは、少なからずショックだった。以前、去年の自分を振り返って「人より得してる。」と言ったソニンに対して、僕はここに言い知れぬ違和感を感じたと書いたが、今回のインタビューのように、こうもハッキリと言われてしまうと納得する以外に無い。それを無条件で良いとは未だに思えないが、納得はできた気がする。これだけでも、読んでよかったと思えた。



後半部分は、ソニンの生い立ちや、在日コリアンであるということに対してのソニンの思いなど、プライベートすぎるほどにプライベートな話。かなり深い部分にまで及んでおり、結構な量のページが割かれていたのに何だが、正直に言ってしまうと、どんな生活を送ってきて、どんな思想を持っていて、というようなプライベートの中でも深層の部分は、もっと表層のプライベートな部分(休日はこんな風に過ごしてまーす!、みたいなの)とは逆に、僕にはあまり興味の無い話だった。「興味が無い」というよりは、「求めていない」と言った方が正しいか。極端な話をすれば、ステージ上やTV等で魅せてくれるものが全てでいいと思っているし、ソニンが人種差別問題をどう考えているのかなんて、それを知ったからって僕がソニンの歌を聴く上でどうにかなるって事でもない。寧ろ、こういう背景があるからこうなんだなぁ〜なんて思ってしまうのが、その、嫌だ。感情論で嫌だ。ともかく、僕が1ファンとして、求めていないものだったという話。そういった深い部分を含めて好きな人にとっては、それは貴重だし、価値のあるインタビューなんだとは思う。







■天然最強少女事典



ソニンにまつわるエトセトラを50音形式で網羅・事典化したもの。さながらソニン入門書といった感じの内容であるが、それに留まらず、「ソニンつんく♂に言われたとんでもないこと」など、普通にメディア等で追いかけているだけでは知る由も無い事実までも載っていたのが嬉しかった。なので、今までソニンを知らなかった人でも、次の日から知った気になれるぐらいの素晴らしい充実ぶりであり、そして、知った気になっていた人が読んで、事実関係を再確認するのに持ってこいの記事。



というのは当に自分のことなのだが、やはり僕は幾つか誤認していたところがあったのだと気付かせて頂いた。ケンの寺合宿脱走と脱退、ソニンの空白期間とバイト、このあたりの自分の認識/記憶が完全にごっちゃになっていたようで、読んでいて青くなった。というのも、そのごっちゃになった曖昧な記憶のままソニン特集に書いてしまっているわけで、となると、これはかなりの人にご迷惑をかけてしまった。申し訳ありませんでした。そもそも、あれはユウキ特集を書いた延長線上で書いたものなので、前半は割と軽いノリで書いてしまったのだけど、そういったノリで書いてしまった部分はいつか書き直そうとは思っています。明言しない、いつかに。あ、誤っていた部分は早急に直します。



あとは、この記事を読んでいてちょっと思うところがあったというか、ごく一部、あれ?俺執筆したっけ?と(内容と文章運び、括弧使い等を見て)錯覚してしまうような部分があったのだが、まぁ、別にだからどうするってこともないのでいいか。







■その他



和田社長ロングインタビュー含め、ソニン関連スタッフ、共演者の各インタビューは、この企画が無ければ永遠に知ることが出来なかった発言ばかりで、どれも面白かった。(特に、和田マネのインタビューは、モーニング娘。のファンとしても楽しめた。)印象的だったのは、インタビューを受けた皆が一様に、ソニンを「天然」呼ばわり(かなり広い含みを持たせた意味で)しつつ、しかし持っている力は認めている、という発言をしていたこと。ソニンは現場で愛されてるなぁー、というのがとても伝わってきた。



そして、特筆すべきはソニン名言集。デビュー前から現在に至るまでの雑誌におけるソニンの名言をまとめたものなのだが、これの網羅っぷりは(その労力含めて)本当にスゴイ。しかも、その抽出ポイントが主に『ぶっとんだ発言』にあてられていたので、ゲラゲラ笑いながら読ませていただきました。







■全体的な感想としては、こういう企画がありえた!ということ自体がファンとしてありがたいのと、データとして非常に素晴らしい本だなぁということ。名著「ソニンまにあ」同様、ファン必携のマストアイテムなのは間違いないと思います。