はてなダイアリーが選ぶ名盤百選

TAIYO&CISCOMOON 1

TAIYO&CISCOMOON 1

TAIYO&CISCOMOON 1 / 太陽とシスコムーン

モーニング娘。がラブマシーンを大ヒットをさせるその前後、99年4月〜10月にかけて、まさに脂が乗りきってギラギラになっていた当時のつんく♂が、とてもじゃないがモーニング娘。では出せない自身のギットギトなコアの部分(生まれながらの水商売っぽさや、ゴミみたいなエロさ等)をあえて抽出するが如くして作ったような曲ばかり!という入魂の一枚。

こう書いてしまうと、かなりドギツイものを想像されてしまうことと思うが、挙句それを歌うのがジャケ通りの4人とくればその危惧もご尤もだが、しかし、毒×毒の相乗効果がある種の潔さを感じさせ、そのドギツサは圧倒的なパワーへと昇華されているので、心配ご無用。そういった部分もしっかり計算づくで、とても丁寧に作られたアルバムだと感じられる。

その内容はというと、ソウルあり、ダンスクラシックあり、加えてHIP HOPとR&B、更にはジャズにボッサといった具合に、云わば、いい加減にしろよこの野郎というぐらいバラエティに富んでいて、耳に楽しく飽きさせない。また、それらのバラエティに富んだ曲の全てが、「ディスコ」という一つの共通項の下にアルバムとしての統一感を生みだしており、アルバム一枚通して聴いたときの完成度が非常に高く感じられるというのも、この一枚を名盤に推したい大きな理由の一つだ。

そして、それらの曲が、太陽とシスコムーンの4人の歌唱力・器用さもあって、けして「ニセモノ」に終わっていなく、しっかりと「してる」というのがこのアルバムの最も素晴らしいところ。このアルバムを買うまで、僕はハロプロつんく♂関連の曲を楽しみこそすれ『音楽として聴く』なんて気はさらさらなかったのだけど、そういったスカした驕りや傲慢を一発で打ち抜いてくれるに十分なものだった。

■アルバム全体が素晴らしいのだが、曲単体として特に推したいのは、10曲目の「宇宙でLa Ta Ta」と、13曲目の「Everyday Everywhere」。どちらとも、メロディアスなベースラインと、ハモリ、フェイク等のコーラスワークの気持ちよさがただ事ではない。何の卑下することもなく、ただただかっこいいと言い切ってしまえる。どうせ作ってるのはシャ乱Qのアイツだろ?じゃんけんぴょんだろ?あのツラどう見たって整形だろ?なんて在らぬ言いがかりを口にする前に、どうかこの2曲だけでも聞いてみてくれたらと思う。シングルなら中古盤屋で「5円」とか、デフレ上等の驚愕の事態になっているので、ユニセフ募金感覚で聴いてみて欲しい。そして、その先をどうするか、選択するのはお前だ!!(ネオ気取りで)

つんく♂がどんなに駄曲を連発しようとも、このアルバムの記憶があるのでいつまでも期待させられてしまう、僕にとっては、そんな一枚。ある意味じゃ消えないトラウマを刻み込んだ非常に厄介な一枚ですが、それぐらいのインパクトとパワーのあるアルバムだと思っています。

という訳で、次は僕自身も皆さんもお待ちかねのOUTDEXのムネカタさん(id:munekata)に御願い致しました。お忙しい中、御快諾してくださってありがとうございます。ホント楽しみです。