読み直す

 世間の皆さんにとっては、G.W気分も抜けきらない陽気なツラした五月上旬であることと思う。そんな中、とある一人の人間が、闇にまぎれてひっそりと不安や疑心に苛まれる日々を送っていることを報告しておきたい。”この感じ”が、不安や疑心というネガティブな感情でありながら、どこか母親の胎内を思わせる残酷な”懐かしさ”を内包しているのは、2年前の丁度今ごろにも確実に感じたことのある恐れであるからだ。早い話が、もう一ヶ月近く動くソニンを見ていないのにも関わらず、5/6付けのソニンのTV・ラジオ出演予定が完全にまっさらの状態になってしまっていて、うわー!!なのである。



特に僕のような、TVを見てとやかく言うことがファン活動のメインである(地上波しか映らないくせに!)というフザケた連中にとっては、うわー!!である。何故なら、それはファンとしてのモチベーションの低下と直結した緊急事態だからだ。まだソニンで楽しむ意思のある自分としては、どうにかして、ここでグッと踏みとどまらねばならない。正念場だ。しかし、”懐かしさ”とは”経験”があってこそのものであり、経験から学ぶことの出来る万物の霊長たるアタクシは、ここで無様にあたふたしない。今、自分が何をすべきかを知っている。これは、僕が一年近くハロープロジェクト関連のことしか書かないという、いかにもモテなさそうなサイトを運営して得た知恵だが、不思議なことだが、書いたり自分のログを読んだりすることによって、なんとなくモチベーションが持続するのである。そんな訳で僕は最近、ソニン特集といういかにもモテなさそうなサイトの各コンテンツの加筆修正をするという独自のモチベーションの保ち方を実践しているのだった。



 そこのソニン年表という「初めてHPつくりました!」みたいなド直球のネーミングのコンテンツを編集する傍ら、ここ一年弱のソニンの活動をぼけーっと振り返ってみた。グラビアムック「ソニンまにあ」での米原康正氏の起用に始まり、初のオフィシャル本がアイドルなのにクイックジャパン誌、映画秘宝誌の表紙を飾る、松尾スズキ氏の舞台に立つ、B級映画ファン以外に評価されようも無いであろう映画に出る(未だ公開未定!)、メジャーレーベルからのドロップアウト、更に和田マネージャーとプライベートで友達だというリリー・フランキー氏が仕事上で頻繁に絡んでくる、挙げ句に最近のソニンの趣味が写真!などなど、いつのまにか、まるで砂浜に作った母子の砂の彫刻を波侵食するかのように、しかし着実に、我らがソニンちゃんがサブカル色を濃くしていく毎日だった。基本的にそういうの好きだからいいんだけど、やや不安である。いきなり全身黒ずくめの服しか着なくなってしまったらどうしよう。アートとか言ってセルフヌード写真集をリリースしてしまったら、一体どう受け止めればいいんだ。不安の種は尽きない。



 もう一つ、ソニン特集というサイトの加筆修正していて感じたことがある。あのサイトは、僕がEEJUMPを知らない世代を作らせない会の一員(俺一人で構成)として、ソニンやEEJUMPについて得た知識の全てをつぎ込み、それを見た人がソニンに興味を持つとっかかりになってくれればいいなぁという目的の元に存在するものだ、ということは以前にも書いた。しかし、今回改めてそのサイトの全容を確認するに、その狂い咲いたデータ収集っぷりは、我ながらもろストーカーを彷彿とさせるものがあり、ふと我に帰って「俺、コレと同じことされてらヤダなぁ。」と思ったが最後、ソニン(若しくは、ユウキ、和田マネ等)にとっての一番の不幸は、もしかして僕がファンになったということなのではないか?というドス黒いにも程のある疑心が前頭葉の突端のあたりに鬱積し、気がつくと「E.T. オウチ デンワ。」 と、うわ言のように繰り返す始末である。基本的に「応援してます!」という大義名分を笠に着て、本人が見たらとんでもなく嫌がりそうなことばかり書いてる自覚がないわけじゃないが、まとめて見てみると、もうすごいの俺。自サイトのログは読み返すな、という先人たちの言葉が身に染みた五月である。モチベーション回復したのかどうか、なんだかもう、よくわからない。



■ おしらせ

relax誌のfabgearというミニコラムを書く機会をまた頂いたので、よかったら読んでみてください。今売ってるやつです。