ソニン初写真集「ソニンまにあ」

ソニンまにあ 2002夏〜2003夏[密着365日] ―FLASH特別編集

ソニンまにあ 2002夏〜2003夏[密着365日] ―FLASH特別編集

藤代 冥砂, 米原 康正, 吉永 マサユキ, 尾形 正茂, 斉藤 誠



コンビニに並んでる様を見たところ、あたかもロッキング・オン社の『H』にソニンが表紙で使われているかのような錯覚を覚える。というか、これ、大きさから厚さから質感からなにから『H』そのもの。で、一瞬、これで980円って高くねぇ?と思ったのだけど、それ以前に写真集としては破格だし、下手に広告が入れられるよりはいいかと自分を捻じ伏せ無事購入。週刊プレイボーイ購入帰りの中2男子よろしく、いつもより気持ち慎重に帰路に着く(男子にだけ分かる感覚!)。



実は、アイドルの写真集を買ったのは初めてなのだった。撮っている方が好きな写真家ならいざ知らず、いまいち楽しみ方がわからなかったのもそうだし、どうせ2,3回見て終わりじゃねーの?と思っていて買ったことがなかったのだが、いやいや、これは案外と面白いですな。「いろんな表情が見れる」というのは、それだけでこんなに面白いものなのかと、今パラパラとめくりながらちょっとしたショックを受けております。



特に「ソニンまにあ」に関して言えば、5人の全く作風の異なる写真家を起用してオムニバス的に作られているので、その感動も単純計算で5倍。アイドルアイドルした表情もあれば、少し背伸びをしたような表情もあり、やたらスタイリッシュな表情もあれば、勿論悶絶クラスのアホ面(米原康正グッジョブ!)もあるわけで、暫くは見飽きるということは無さそうです。いや、ホントに面白いなぁこれは。これ、ソニンファンじゃなくても(といってもソニンが嫌いなら話は別だが)、普通に写真が好きな人なら楽しめるかもしれません。なんて、僕が書いても説得力に欠けると思いますが、「5人の写真家が一つの被写体で」っていう企画自体、かなり面白いです。で、その被写体がソニンなので、ファンはより一層楽しめますよっていう、そんな本でした。



インタビュー記事については、

残念ながら記事内容そのものには、特に目新しい部分は無かったのだが、それ全体から伝わってくるものに何か言い知れぬ違和感があった。



インタビュー記事全体に一貫して流れる、ソニンの「やること為すことに全てに意味があって、それらは必ず私の人生の役に立つ、だから頑張ります。」みたいな発言が(それを悪いとは思わないが)どうも引っかかる。確かに、去年一年を振り返ってみると、ソニンを取り巻く状況は正に激動であったし、その真っ只中にいたソニンにとってみれば、様々な面に於いて今までに無い学習・経験が出来た一年だったのだろう。それは各種メディア越しにでも、容易に想像がつくことであり、ファンの視点でしかないが、ソニンが去年の経験から得たものは、それこそ4,5年分の成長に匹敵するものだったとも思っている。しかし、だからって「(去年はいろいろあったけど)これからの人生にとって、実は私は得してるんだって感じてるんです。」なんて、そんな発言ないじゃないか。過剰に前向きすぎるというか、これが穿った見方だと承知して書くが、どうにも痛々しい。



ソニン自己啓発系の本を読んでいるということは、ファンの間では割と知られた話だと思うが、それを知っていたからか、どうもソニンの語る言葉の随所にその影響が感じられてしまい、それが「何か言い知れぬ違和感」として強烈に残った。もう「頑張る女」の看板はいいじゃないかと思うのだが・・・。



それだけに、インタビューページ末の一問一答記事で、マラソン、ドミノ、マグロ漁船、もう一度やらなければならないなら?との質問に、「全部ムリ。」と答え、男性の嫌いな仕草は?との質問に、「鼻クソをほじっているところ。」という爆弾返答をするソニンに、なにか妙に人間性を感じて安心したのだが、これがアイドルのインタビュー記事を読んだ感想か!!