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ソニン、20秒ほどのVTR出演で「カラスの鳴きマネ」を披露。このネタをTVで披露するのは、これで何度目だろうか。もはや『持ちネタ』と化した感すらある、ソニン入魂のボケの一つ(他に、骨盤を鳴らす、目玉を自在に動かすなど)である。持ちネタのあるアイドル。いいか悪いかは別として、結構すごいことだとは思う。何がすごいかは正直よくわからない。



番組におけるソニンの『扱い』が、ダンディー坂野&はなわと同じ括りの扱いだったのには如何ともし難い気分になったものの、それ以上に気になったのは、ソニン自身が「ちょっと下手ッぴになっちゃった。」と言うように、ネタ自体の切れ味が低下していたことだ。僕がそのネタを初めて観たのは、たしかソニンがテレフォンショッキングに出演した時のことだったと記憶するが、その時に比べると随分とカラスっぽさがなくなっていたように思う。今回ソニンが披露したのは、カラスの鳴き声、というよりも、赤ちゃんが失神寸前に出すような声、ってそんなものを聴くような緊急事態に遭遇したことは勿論ないので、あくまで僕のイメージするものでしかないが、それに近かったように思う。視覚的なイメージとしては、AKIRA6巻での巨大化したテツオだ。そういった、ある種の怖さがそのネタにはあった。なのでこの際、あれは「カラスの鳴きマネ」ではなく、「赤ちゃんが失神寸前に出す声マネ」ということにしてしまったらどうだろう。ソニン「じゃあ、モノマネやります! 行きますよ、赤ちゃんが失神寸前に出す声のマネ。あ゛ー、あ゛ー。」 ウケるかどうかは別として、かなりハッタリは効くと思う。というか、そもそもウケをとる必要なんてない。モノマネが「お笑い」でなければならないという考え方は、もはや過去の話だ。「赤ちゃんが失神寸前に出す声マネ」は、幼児虐待、ドメスティックバイオレンス問題に一石を投じる社会派モノマネである。見た者を一様にブルーさせ、なにか深く考えこませる。そんなソニンを、見たいけど見たくない。