8mile

悲しいことだが、この世には『すぐに影響受けちゃう奴』ってのがいる。 なんかもう「いかにも!」という感じで、うわぁー、この人アレ見ちゃったんだろうなあ、っていうのが誰の目にも丸分かりの奴。「おれ観ちゃった」オーラを会話の節々にそこはかとなく匂わせてくるのである。特にそれが自分の方が詳しかったり得意とする分野であった場合、そういった奴の相手をすることは、この上なくウザイ。また、その相手が微妙に仲がいいかどうかよく分からない、なんかわりとよく一緒にいることが多いのだけど、いまいち一歩踏み込めず、「君付け」で呼ぶぐらいの間柄だった場合、そのウザさは熾烈を極めるというのはよく知られた話だと思う。それだけでも既に大問題に違いないが、上には上がいるの世の常である。むしろ周囲の人間に全力で分からせにかかってくる奴がいるのだ。例えば、呑み会の帰り道。居酒屋を出てほろ酔い加減で歩いている時、何の前触れも無く「M・I・C・K・E・Y M・O・U・S・E!!」と歌い出す。『ドーナツ』に過剰な反応を見せる。黒人をスノーボールと呼ぶ。自分のことをサーと呼べと周りの人間に強要する。うちの学食では黒んぼ定食は出さない、とか無茶苦茶なことを言う。勿論、フルメタルジャケットを観た次の日の話だ。そういう奴は、ジョジョの奇妙な冒険第四部を読んだ次の日には、シャープペンシルを武器にして誰彼構わず襲い掛かるのであるし、3年B組金八先生第二部「卒業式前の暴力(後編)」を観た次の日には、出会い頭でいきなり友人の頬を素手でぶっ叩くや否やガシッと抱きつき、貴様たちは俺たちの生徒だ、オレの生徒だ、忘れんな?あ?忘れんなと言う。劇場版ガンダム哀・戦士なんてものを見てしまった場合もう駄目だ。腹の底から捻り出すような怒鳴り声で、「こう言うことだぁぁぁー!」と、事あるごとに絶叫せずにはいられない。周囲の反応や評価などは、まるでどうでもいい。とにかくやりきる。自己の欲望を充足させることのみを最優先させる。確実に無様ではあるが、やってる本人は超楽しい。ウザがられることなんて、むしろ気持ちいいぐらいだ。虫けらを見るような目でオレを見やがれバカ野郎。



8Mile

8Mile



そんな自分にとって、エミネム主演の映画「8mile」は、友人から散々ヤバイとは聞いていたけども、ほんとにヤバかった。正しく積極的に影響を受けていきたい映画だった。「”あとで寄る”ってママに伝えときな(=お前のママと今夜一発キめるぜという意)」や、「お前を堕胎さなかったことをパパとママが後悔してる。」なんてのは、是非とも日常会話に取り入れていきたい。勿論、このサイトでもだ。今後、僕が”D”と言えば、それはデトロイトのことだし、ニガーと言えば白人のことであると覚えておいてほしい。