月刊ソニンが届く

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若原 瑞昌

ソニン2冊目の写真集ムック。



行き過ぎたアート志向なのか、それともお宝ショットを出来るだけ数多く見せようという我らが和田ちゃん(馴れ馴れしく)らの粋な計らいなのか、まぁ前者8:後者2ぐらいだと思うが、表紙同様、ページいっぱいにフィルムを意識したデザインでチマチマした写真ばかりが並ぶ。ロッキンオンJAPAN誌の1万字インタビューを彷彿とさせる(レイアウト・内容ともに)インタビューページを除くと、ほぼ9割がそんな感じのつくり。



今回のデザインがこうだということについては、別に誰一人尋ねちゃいないのに「自分はソニンファンであります!」と、イキナシ宣言しちゃうようなHAMIDASHIデカたちのレビューを拝見して既に知っていたことだが、実物を目にし、そのあまりにチマチマした写真の大きさにひどく狼狽した。一枚一枚の写真が、想像以上の小ささだった。たしかに、若干の拍子抜けの感は否めない。が、余裕だ。何度も言っているように、グラビアを見るときは、誌面にまつ毛が触るぐらいの距離に顔を持っていき、文字通り『舐めまわす』ように隅から隅まで拝見するというのがフォーマル・スタイルである自分にとっては、然したる問題では無い。ソニン、パイオツカイデーだなおい!などとブツブツ呟きながら、一枚一枚、おいしく戴くだけである。



さすがに頭かずが多い分、クリティカルショットも多い。非常に可愛らしく撮れている写真は当然として、普段なら闇に葬られるべきであろう、「完全に気の抜けたソニン」の表情をも問答無用で容赦なく掲載してあり、その点では僕を満足させた。ただ、それと比例するように、すんげぇ〜どうでもいい写真が結構あるのも事実だ。価値基準なんて十人十色であろうけども、ライブ会場の客席だけとか、ソニンか誰かも判然としない写真(まぁソニンなんだけど)だとか、そういった写真は、個人的には、いらなかった。プラマイ0といったところ。



そんなことを思いながら、チマチマした写真群を超・至近距離で拝見していたところ、突如目に飛び込んできたのが、1ページぶち抜き超ドアップ顔面写真!!それを目にして思わず仰け反ってしまったのは、なにも突然すぎて焦点があわなかったからだけのことではない。輪郭と焦点のぼやけた目、かさかさの唇、大きく開いた口の中には、飴玉が一つ。人の顔を大雑把にジャンル分けした場合、多分「二日酔い」というジャンルにカテゴライズされるであろうツラだ。何故二日酔いしたソニンの写真が?と疑問に思っていたら、それがソニンちゃんのスッピン写真だったことに気が付く。いろいろと考えさせられる写真集だった。